北枕にするのはなぜですか
釈尊は、三十五歳で悟りを開いてから、四十五年間、北インド各地を歩いて教えを説きつづけました。
そして八十歳で亡くなりましたが、このとき釈尊は、沙羅双樹(さらそうじゅ)の下で、頭を北に向け、顔を西に向けて横になり、そのままの形で息を引き取ったと仏典には書かれています。

涅槃図(ねはんず)という、釈尊の亡くなられたときのようすを描いた図では、かならず北枕となっています。
中国の僧院では、修行僧がこの釈尊の亡くなられた姿をまねて、寝るという風習がありました。そして日本では、死んだ人を「ホトケ」と呼ぶ習慣ができました。

この「ホトケ」と「ブッダ」のイメージが重なり、亡くなった人を北枕にして、釈尊と同じように静かに亡くなられた形をとるようになりました。
仏教についての疑問( 3)

音声ガイドをご利用の場合は、Microsoft Windows Media Playerが必要となります。
ダウンロードはこちらから。
Get Windows Media Player