法事はなぜするのですか
祖先を祭る習俗は世界各地にありますが、東アジアでは、古代中国以来、祖先祭祀(そせんさいし)が重要なこととされておりました。
さらに、家族のあり方や儀礼などを体系的に整理した儒教がひろまってくると、祖先の祀りをしないことは最大の親不孝とされるようになりました。

仏教が中国に伝わり、民衆にも定着すると、この祖先崇拝の儀礼が仏教にも取り入れられ、寺院で祖先の法事をするようになりました。
同様に日本でも祖先を祀る習俗が古来からあり、霊を慰撫しないと、人々に害をなすという観念がありました。

仏教が入ると、この観念と相まって、経典を読誦(どくじゅ)する功徳(くどく)により、祖先を回向するという考え方が定着したのです。

祖先を供養することは、亡き人を偲びながら、自分の生き方を振り返り、より人生を充実させる良い機会であると考えられています。
仏教についての疑問(11)

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