「空」とはなんですか
空とはインド語で sonya といい、数字のゼロをあらわす言葉です。また、「空っぽ」という濃厚な意味をもっています。

どんな存在も縁起(ものごとがなにかよ縁って起こること)にしたがって生滅しつづけているのみで、永遠の実態ではない、言葉で捉えようもない、と説明されますから、普通の意味では「存在しない」ということに近くなります。これが「空っぽ」という理由です。
何ごとにもこだわらない自由な見方と我執(がしゅう)を離れた行動が空の実践です。

たとえば、坂があったとしたとき、上から見れば下り坂ですが、下から見れば上り坂になります。どちらの見方も間違いではありません。立場により評価はさまざまですが、それぞれの本質そのものではありません。

一つの見方にとらわれないこと、それが、空の立場なのです。
仏教についての疑問(20)

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